2011年 07月 11日
祝には「ルージュ」。 |
7月5日、仏滅。湯島「壷中」施工工事契約。かねてからのご案内から久しく、ようやく着工に漕ぎ着けた。思えば、何軒の不動産屋を廻ったことだらう。幾人に話を伺っただらう、か。紆余曲折、天変地異までを経て、やっと迎えたこの日。本来なら「お赤飯」でもと相成るところだが、京都からいらした設計士の木島さんと一緒に、「壷中」と同じ、夕4時から開く焼き鳥屋で麦酒となった。労いを込めた一杯のグビリッ。喉を通じ心身に染み渡わたりけり。木島さんとは「古美術 佃」の佃さんを交え、幾度も酒を酌んだ。「これだ」に至るに時間はいらなかった。簡単に“カタチ”が、あっけなく「壷中」の姿が見えた。9月早々には開店できる、かも。
彼らといると、図らずも同じ”変?”に至る。「なぜ、京都の料理屋は、真っ当な酒(日本酒)を置かないのだろう。葡萄酒はかなわんで」。「和の食に合わせられると本当に思っているのだろうか」、と。小生はまっぴらご免。「Wine」だなんていう言葉も嫌なこった。撓わな房を思わす「葡萄酒」という文字、音がやはり良い。
「Le Baron Rouge」=赤い男爵。
葡萄酒は「赤と白」。「赤と黒」といへば「スタンダール・シンドローム」の言葉もあるスタンダールが思い浮かべられる。で、赤は仏語で「Rouge」。日本だと口紅の意がわかりやすいか。
巴里で「Rouge」とくれば赤い男爵(否じゃがいも)「Le Baron Rouge」。で、サーてお立ち会い。ここん家の名前。「Rouge」とばかり思い込んでいたけど、どうも「Bouge」との説も。地元の人も、メディアでも「ああ、あそこね」、「どちらでも、いいんじゃない」と気にしていない。その「あそこね」は、バスチーユから一駅目の「Ledru Rollin (ルドリュ・ロラン)」 という、なんとも日本人には発音困難な駅のほど近くにある。
Marché Beauvau (マルシェ・ボヴォー )=ヴォー市場の裏手にあって、市場の人、買い物客、ひたすら呑みたい人、などなどで、いつも賑わっている。大概は、ソーセージやパテの盛り合わせに、お気に入りの赤、白をつぎつぎと胃の腑に流し込んでいく。
お代は1€台から5€くらいまで。お安い。一瓶でも10€ちょっと出せば、ハハーンってな代物がいただける。当然のように量り売りもしている。空瓶を持って来てはお気に入りを樽から酌んでもらう。日本人葡萄酒観からは「ひえーっ安っ」ていうお値段。本来はかふいうもんだと思うのですが、いかが。
お代を支払って、グラスを受け取ると、立ってでも座ってでも、店内でも、外でも、思いのままにいただく。そこらの箱、ゴミ箱、誰かさんの車のルーフ。グラスを置けても、置けなくても、おかまいなし。しこたま、赤&白をたたき込んだら、セーヌの流れを見ながらバスチーユ広場までの散歩も悪くない。
by COTYUU
| 2011-07-11 09:30
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