2012年 06月 12日
「壷中」酒器。 |
「お銚子一本、熱くして」通人と思われる方が蕎麦屋で酒を頼んでいるのを見たことがある。蕎麦をたぐる前に、まずは気付けに、は酒飲みならずとも微笑ましい。
さて、この銚子。昨今では徳利に置き換わっている。もとは長柄のついた両口(もろくち)、片口の湯を注ぐ道具だったらしい。
銚はもともと鍋の意味があったようで、「さしなべ」と呼んでいた。素材も金属で、今様の徳利=陶磁器製とは別物だったのは飲まずともあきらか。で、徳利はというと、注ぐ時に「トクリトクリ」という音がするから、というのは洒落てはいるが、どうも違うらしい。「朝鮮語の容器=トックルが徳利になったから」というほうが筋が通っている。
今のような瓶詰めとは違い、酒屋は徳利に入れて酒を販売していた。当時徳利は個人の所有ではなく酒屋の貸し物であることが常で、酒屋の屋号が大きく書かれていた。古い酒屋さんなどには、今でも名入りのそれを見かける。というわけでお銚子は徳利にその素養を隠しながら、燗という手法で面目を保っている。湯を用いる道具転じて徳利となれば燗。それも、とびっきりの燗が相応しいと思うのですが、いかがでしょう。
【お知らせ】
「壺中」は、6月25日(月)〜6月27日(水)の3日間、京都での打ち合わせのため、お休みをいただきます。翌28日(木)から、夕4時より通常営業いたします。よろしくお願いします。
燗酒嘉肴「壺中」
東京都文京区湯島2−31−25太陽ビル 1F
営業 午後4時〜10時(酒肴LO 9時00分/酒LO9時30分)
定休日 月曜 (日祝営業)
*写真は、「壺中」愛用、陶芸家・村田森さん(左)と岸野寛さん(右)の徳利。
さて、この銚子。昨今では徳利に置き換わっている。もとは長柄のついた両口(もろくち)、片口の湯を注ぐ道具だったらしい。
銚はもともと鍋の意味があったようで、「さしなべ」と呼んでいた。素材も金属で、今様の徳利=陶磁器製とは別物だったのは飲まずともあきらか。で、徳利はというと、注ぐ時に「トクリトクリ」という音がするから、というのは洒落てはいるが、どうも違うらしい。「朝鮮語の容器=トックルが徳利になったから」というほうが筋が通っている。
今のような瓶詰めとは違い、酒屋は徳利に入れて酒を販売していた。当時徳利は個人の所有ではなく酒屋の貸し物であることが常で、酒屋の屋号が大きく書かれていた。古い酒屋さんなどには、今でも名入りのそれを見かける。というわけでお銚子は徳利にその素養を隠しながら、燗という手法で面目を保っている。湯を用いる道具転じて徳利となれば燗。それも、とびっきりの燗が相応しいと思うのですが、いかがでしょう。
【お知らせ】
「壺中」は、6月25日(月)〜6月27日(水)の3日間、京都での打ち合わせのため、お休みをいただきます。翌28日(木)から、夕4時より通常営業いたします。よろしくお願いします。
燗酒嘉肴「壺中」
東京都文京区湯島2−31−25太陽ビル 1F
営業 午後4時〜10時(酒肴LO 9時00分/酒LO9時30分)
定休日 月曜 (日祝営業)
*写真は、「壺中」愛用、陶芸家・村田森さん(左)と岸野寛さん(右)の徳利。
by COTYUU
| 2012-06-12 10:55
| 酒池酒林